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“魅惑的なその色!”(「花の本 ボタニカルアートの庭」より)2013-05-18
2013年4月。雨降りの中出勤中、ふと見上げたら、こんな宝石のような実が。
なに、この瑞々しい美しさ。
急いでガラケーで記念撮影しましたとも。
まだ若い実も、首飾りにしていつまでも手元に置いておきたいくらいほど。
ちょうどその頃『花の本 ボタニカルアートの庭』(角川書店)を読んでいて、この言葉を思い出していました。
「ああ、貴方のその唇、熟したサクランボがキスしているような、魅惑的なその色!」
『真夏の夜の夢』でシェイクスピアが唇にたとえたのは、サクラの花でなくてサクランボ。
山内浩史(著). ネイチャー・プロ編集室(編). 『花の本 ボタニカルアートの庭』. 角川書店. p.29.
魅惑的なその色!私にとっては、まさしく!
日本では、多くの場合、花と言えば「桜」でしょうか。
桜色の唇、と聞けば、私などははんなりピンクに塗られた、少女のような唇の色を連想しますが、花に詳しかったとされる沙翁が「魅惑的な色」としたのはセイヨウミザクラの実。
「シェイクスピアが唇にたとえたのは、実を食べるセイヨウミザクラ(西洋実桜)の仲間。花より実を愛でているようだ。」
と。
私的には実も花も好きだな。捨てがたいのはどちらもです。
『花の本 ボタニカルアートの庭』、一言で言えば、とーっても美しい本です。
勿論ルドゥーテのバラの絵も掲載されています。
写真集もいいけど、ボタニカルアートもいいな、と思います。
17世紀、18世紀に咲いた花たちの、たった一本の花の姿が写し取られているのですから。