吉川霊華展 近代にうまれた線の探求者(2012年6月12日~7月29日)
吉川霊華展を観て 2012-07-12
【吉川霊華展 近代にうまれた線の探求者 東京国立近代美術館 2012年6月12日(火)~7月29日(日)】
先日、週刊新潮7月12日号のアーツ欄を読んで興味を持ち、「吉川霊華展 近代にうまれた線の探求者」を観に行ってきました。
それまで「吉川霊華」の名前を聞いたことさえありませんでした。
週刊新潮にも「AKB総選挙の候補者名簿にあっても違和感のない名前」とありましたが、私なんて、「マンガ家?イラストレーター?」と最初本気で思いましたよ(スミマセン)。
東京国立近代美術館のHPの「ほとんどの人はご存知ないかもしれません。」の言葉に少しホッ。
約30年前の1983年以来一度も回顧展が行われていない、“忘れられた画家”なのだそうです。
よかった。知らないのはきっと私だけではない。
“孤高の画家”“忘れられた画家”という、その名以上に魅力的なキーワードに惹かれ、会期が終わってしまう前に、急いで実物を観に出かけました。
人物の美人度も高いけど、自然-樹や水面に立つ波の線が本当に素晴らしいです。
製作時の年齢を見ると、これがまた若い。
躍動感溢れるスケッチがすごい。
天才。
「幼少より漢籍に親しんでいた」とありますが、本当によく勉強していたんですね。
『伊勢物語 つつゐづつ』の場面を描いたものはとても印象に残りましたし、『羅浮僊女(らふせんにょ)』も美しかったです。
この二つは東京国立近代美術館のHP上で見ることが出来ます。
どれも良かったですが、『逍遥』も素敵でした。
この絵の絵葉書とかグッズがあったら即買いだったのに。残念。
でも、出品作品の一覧には新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵とありました。
それならいつか、この作品とは新潟で再会できるかも知れません。
この充実度で、850円(大人当日券)は安いです。
全く知らないと思っていましたが、見たことがある作品がありました。
昔の記念切手の図柄になっていたんですね。
もちろん、当時のものを見たのではなく、その後のカタログか何かでだと思います。
もしかしたら家にあるかも。今度探してみます。
2022/12/12 追記
目録は、昔の縦書きの手紙的な折りたたみになっています。
なんか何処までも気が利いている、というか、こだわりがあるというか。いいなあ、さすがだなあと思います。